中古パソコンを購入するときは、MARプログラムの承認ラベルが貼られているかをチェックしておきたいところ。
MARプログラムの承認ラベルが貼られている中古パソコンは安全性が高いからです。
MARプログラムは、Microsoftが安全性の高い中古パソコンを市場に流通させるために開始したものです。
MARプログラムの承認を受けている中古パソコンは、Microsoftのお墨付きを受けていると言えるほど安心して購入できます。
MARプログラムの承認ラベルが貼られていない中古パソコンは、何かしらのセキュリティ上でのリスクがあるので注意しなければいけません。
そこで、この記事では中古パソコンの販売で用いられているMARプログラムについて詳しく解説します。
これから中古パソコンの購入を検討している人は、安全な製品を購入する参考になるので必見です。
記事の目次
マイクロソフト認定のMARプログラムとは?
MARプログラムとは『Microsoft Authorized Refurbisher』の略称で、マイクロソフト再生PCプログラムです。
Microsoftは安全な中古パソコンを市場に出すために2009年にMARプログラムを開始しました。
MARプログラムの特徴を大まかに挙げると、以下の通りです。
- MARプログラムで認定された販売業者にはセカンダリライセンスを提供
- セカンダリライセンスを提供された業者は正規のOSをインストールできる
ここからは、より詳しくMARプログラムについて解説します。
MARプログラムで認定された販売業者にはセカンダリライセンスを提供
MARプログラムでは、Microsoftが認定した中古販売業者へセカンダリライセンスを提供する取り組みがされています。
何故この取り組みが行われているかの理由は以下の2つです。
- OSがインストールされていない空の中古パソコンの販売を抑制する
- 中古パソコンの購入者が悪意のあるソフトウェアによる被害に遭うのを防ぐ
どのような危険性があるかは後ほど『中古パソコンに潜む危険性を排除している』の項目で解説しますが、中古パソコンにはセキュリティ上のリスクが含まれている恐れがあります。
MARプログラムではMicrosoftが認定する販売業者にセカンダリライセンスを与えることで、対象店舗が安全な中古パソコンを展開できるようにしています。
セカンダリライセンスを提供された業者は正規のOSをインストールできる
MARプログラムによってMicrosoftからセカンダリライセンスを提供される販売業者は、仕入れた中古パソコンに正規ライセンスのWindowsをインストールすることができます。
出典:ドスパラ
MARプログラムで認定された事業者が運営する店舗で販売されている中古パソコンは、全て正規ライセンスのWindowsがプリインストールされています。
そのため、OSが入っていない空の中古パソコンは販売されておらず、購入してから自分でWindowsを入れるといった手間がかかりません。
悪質な店舗で空の中古パソコンを買う際に、不正なライセンスのOSを購入させられるといった危険も無くなります。
中古パソコンがMARプログラム認定されているのは安心の証
MARプログラムで認定された事業者が販売する中古パソコンは安全性が非常に高いと言えます。
MARプログラム認定の中古パソコンは、販売される際に以下の取り組みが行われているからです。
- 中古パソコンに潜む危険性が排除されている
- MARプログラムの認定パートナーは信頼できる事業者のみ
具体的にどのような危険性が排除されているのかを知ると、MARプログラムの承認を受けている中古パソコンの安全性を理解できます。
MARプログラムの認定パートナーとなるハードルの高さを見ると、取り組みの厳しさもわかるので安心できます。
中古パソコンに潜む危険性を排除している
MARプログラムの承認ラベルが貼られているパソコンは安全といっても、どのように安全なのかピンと来ていない人もいるかと思います。
そのため、まずMARプログラムの承認ラベルが貼られていない、中古パソコンの危険性を知る必要があります。
実はMARプログラムの承認ラベルがない中古パソコンには、以下4つのリスクがあるのです。
- 搭載されているOSが偽造品
- フィッシング詐欺サイトへ勝手にアクセスさせられる
- 悪意のあるドライバ・ソフトウェアが含まれていて動作が不安定
- ウイルスやマルウェアなどが仕込まれている
日本では2009年に偽造のリカバリメディアをオークションサイトで販売した人間が著作権法違反で逮捕された事例があるので、中古パソコンを購入する際は注意しなければいけません。
(参考記事:https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/294667.html)
店舗で購入する場合でも悪質な事業者を引き当てると、OSが偽造品である中古パソコンを買ってしまうリスクが伴います。
OSが偽造品だった場合、フィッシング詐欺サイトへ誘導されたり、ウイルスの感染によって個人情報やクレジットカード情報が盗まれる被害に遭ってしまいます。
特に以下のパターンで販売されている中古パソコンには注意が必要です。
- Windowsのインストールメディアのみを別途で提供
- Windowsのライセンスキーのみを別途で提供
悪質な店舗で空の中古パソコンを購入する場合、別で販売されているインストールメディアやライセンスキーは偽造品であるリスクが伴います。
MARプログラムの承認ラベルが貼られている中古パソコンでは、正規ライセンスのOSがプリインストールされているので、偽造品を引き当てて被害に遭う危険がありません。
MARプログラムの承認ラベルは『安心して利用できる中古パソコン』という証なのです。
MARプログラムのパートナー店舗は信頼性がある事業者しかなれない
MARプログラムの承認ラベルが貼られた中古パソコンは、どこでも販売されているわけではありません。
MARプログラムの認定基準は厳しい内容となっており、全ての条件をクリアしなければMicrosoftのパートナーにはなれません。
販売業者がMARプログラムのパートナー認定を受けるには、以下3つの条件をクリアしている必要があります。
- 仕入れたパソコンのデータ消去をはじめとしたコンプライアンスを徹底している
- 高水準な品質管理ができる技術力がある
- 年間2万台以上の取り扱いをしている
Microsoftの厳しい審査によって認定された事業者のみが、中古販売するパソコンにMARプログラムの承認ラベルを貼り付けられるわけです。
具体的な店舗名は後ほど『MARプログラムの認定を得ている安心の中古パソコンショップ』の項目でご紹介しますが、2021年6月時点では以下7社がマイクロソフト認定再生PC事業者となっています。
- 株式会社アンカーネットワークサービス
- MCS株式会社
- 株式会社川上キカイ
- デジタルリユース株式会社
- 株式会社パシフィックネット
- 株式会社メディエイター
- 株式会社ユニットコム
上記の認定事業者、もしくはこれらの事業者が運営する店舗では安全な中古パソコンを購入できます。
マイクロソフト認定のMRRプログラムとは?MARプログラムとの違いを比較
Microsoftは中古販売業者への認定制度として、MARプログラムの他にMRRプログラムの取り組みも行っています。
消費者の目線に立つとMRRプログラムは、MARプログラムとほとんど同じ役割の取り組みで、強いて違いを挙げるとすれば以下の通りです。
- MARは大企業向け
- MRRプログラムは中小企業向け
またOSインストールディスクの付属内容も異なります。
MRRとMARで販売店舗の規模がわかる
MRRプログラムは、Microsoftが中小企業向けに行っている再生PCプログラムです。
MARプログラムで認定を受けられるほどの取り扱い台数がない中小企業が運営する店舗では、MRRプログラムの承認ラベルが貼られている場合があります。
MRRプログラムとMARプログラムの大きな違いは認定を受けている企業の規模のみで、どちらの承認ラベルが貼られていてもその中古パソコンは安全だと言えます。
付属品の内容とプロダクトキーの記載箇所が異なる
細かいところではありますが、販売されている中古パソコンがMRRプログラムとMARプログラムのどちらで承認されているかで付属品の内容が異なります。
MRRプログラムの承認がされている中古パソコンでは、Windowsの32bit版か64bit版どちらかのリカバリディスクが1枚付属されています。
MARプログラムの承認がされている中古パソコンでは、Windowsの32bit版と64bit版のリカバリディスクが1枚ずつ付属されています。
MRRとMARは承認ラベルで見分けられる
販売されている中古パソコンがMRRとMARどちらのプログラムで承認されているのかは、貼り付けられているラベルを見るとわかります。
MRRプログラムの承認がされている中古パソコンには、以下の通りに製造メーカーと再生PC事業者のラベルが1枚ずつ貼り付けられています。
出典:Microsoft
MARプログラムの承認がされている中古パソコンには、再生PC事業者のラベルだけが貼り付けられています。
出典:Microsoft
MARプログラムの認定を得ている安心の中古パソコンショップ
MARプログラムの認定パートナーである事業者が運営している中古パソコンショップはいくつかありますが、中でも特におすすめは以下の3つです。
- デジタルドラゴン
- ドスパラ(中古WEB通販)
- ジャンクワールド
デジタルドラゴン
デジタルドラゴンはパソコン工房を運営しており、MARプログラムの認定事業者である株式会社ユニットコムが展開している中古パソコンショップです。
デジタルドラゴンをおすすめする理由は保証期間が永久であるところです。
デジタルドラゴンでは永久で1年間に1度は無料で下記のパーツの修理や交換を利用できます。
- ハードディスク
- メモリー
- 電源ケーブル(ACケーブル)
- OS
さらにキーボードや内蔵スピーカーなどの永久保証の対象とはならないパーツには、180日間の保証が付きます。
もちろんジャンク品を除いた全てパソコンがMARプログラムの承認を得ているので、安全性は申し分ありません。
法人モデルが豊富で耐久性の高いパソコンが多いのも魅力的です。
ドスパラ(中古WEB通販)
パソコン販売ショップとして有名なドスパラは、新品だけでなく中古パソコンも販売しています。
ドスパラの魅力は販売機種のバリエーションが豊富なところで、ビジネスモデルからゲーミングPCまで幅広く取り揃えられています。
またパーツの販売もしているので、購入する中古パソコンを改造しようとお考えの人にも打って付けです。
保証面も充実しており、購入から14日間以内であれば購入したパソコンに満足できない場合に全額返金保証が受けられます。
中古パソコンを試してみたいけど不安な人は、ドスパラを検討してみるといいでしょう。
保証期間は1ヶ月ですが、無料のモバイル会員になると3ヶ月に延長されます。また5,500円(税込)を支払うと保証期間が1年になります。
ジャンクワールド
ジャンクワールドはMARプログラム認定パートナーである店舗の中では値段が安いので、価格重視で中古パソコンを買いたい人にはおすすめです。
保証期間は30日間と短めですが、心配であれば月額770円(税込)のモバイル保険に加入することができます。
ジャンクワールドの魅力は、製品によってはカスタマイズオプションが利用できるところです。
ジャンクワールドでは対象の中古パソコンを購入する際に、以下のカスタマイズが可能です。
- SSDへの換装
- メモリの増設
- OSのバージョン変更
- 無線LANアダプタの搭載
- Microsoft Officeの搭載
カスタマイズできる箇所は商品によって異なりますが、自分好みの中古パソコンを安価で手に入れたい人にはジャンクワールドはおすすめです。
MARプログラムまとめ
こちらの記事では、MARプログラムについて解説しました。
MARプログラムはMicrosoftが市場に安全な中古パソコンを流通させるために行っている取り組みです。
悪質が店舗やオークションサイトで中古パソコンを購入する場合、OSが偽造品で個人情報やクレジットカード情報などが盗まれるリスクが伴います。
Microsoftは消費者にそれらのリスクを避けてもらうために、MARプログラムの取り組みを行っています。
MARプログラムの認定パートナーである店舗で販売している中古パソコンには正規ライセンスのOSがプリインストールされているので、セキュリティ上のリスクがありません。
安全性の高い中古パソコンを購入するために、MARプログラムの承認ラベルが貼ってある製品を選びたいところです。
またMARプログラムの認定パートナー企業が運営している店舗は、ジャンク品を除いて全てのパソコンに正規ライセンスのOSがインストールされています。
そのため、MARプログラムの認定パートナーである店舗で購入するのも大事なポイントです。